2024年12月6日
訪問看護師として働く中で、避けては通れないのが「汚部屋」との遭遇です。しかし、どのような環境であっても、私たちは患者さんに最適なケアを提供するために、工夫と対応を重ねています。
今回ご紹介するのは、訪問看護の経験が浅いスタッフが直面した実際のケースです。高齢の姉妹が暮らす団地の一角での出来事です。若い頃は立派な職業に就いていた彼女たちですが、そのために福祉の手が遅れてしまったという背景があります。
訪問看護が始まった時、彼女たちの家は既に物で溢れかえっていました。長年この状態で暮らしてきたため、彼女たちにとっては不都合は感じられず、片付けをする意欲もありませんでした。
私たちは玄関でバイタルサインをチェックし、薬をセットすることから始めました。このような訪問が半年以上続き、徐々に彼女たちの信頼を得ることができ、最終的には手すりの設置を許可していただけるまでに至りました。
この経験から学んだことは、訪問看護師が利用者さんとサービスをつなぐ重要な役割を担っているということです。私たちの原点は、常に利用者さんのニーズに応え、信頼関係を築くことにあります。
訪問看護師としての初めての大きな試練でしたが、それは同時に成長の機会でもありました。利用者さんのプライベートな空間を尊重し、信頼を得ることで、より良いケアや支援へとつながります。
認知症や疾患がある利用者さんにとって、新しいことを受け入れるのに時間がかかることもあります。しかし、私たちは少しずつ、丁寧な対応を続けることで、利用者さんの生活の質を高めることができます。